看護師は、定められた看護過程に沿って患者に看護ケアを施します。

看護過程とは、アセスメントを基に看護診断を行い、看護計画を立てて実施したら事後的評価を下す一連のプロセスのことです。
アセスメントは評価や査定という意味を持っており、看護過程におけるアセスメントは、最初の情報収集と分析の段階のことです。適正なアセスメントを行うと、その後の問題提起や看護計画の立案もスムーズに進むでしょう。アセスメントの基礎となるのは、主観的情報と客観的情報です。主観的情報とは、患者本人が訴える痛みや痺れといった症状のことで、客観的情報とは、血液検査などの結果のほか血圧や脈拍数といったバイタルサインのような客観的数値を指します。

バイタルサインとは、血圧や脈拍数のほか体温や呼吸数など生命維持を表す数値のことで、バイタルチェックによって計測されます。ほとんどのバイタルチェックは医療行為ではなく、心電図検査など特殊なものを除けば計測できる人は医療従事者に限られません。看護師は、患者自身の判断による主観的情報と医療従事者が観察により把握した客観的情報を併せて総合的解釈をすることになります。アセスメントで把握された情報から、問題点を挙げて診断を下すのです。

原因を特定できたら、看護プランを立案し、効率的な治療のプロセスを確定します。この計画に基づき実施した看護ケアがどの程度効果的であったかという評価をすると、看護過程が完了することになります。